本当に心理的な課題に取り組みたいといった場合、カウンセリングの専門家と言える支援者は限られています。
(話を聞いて欲しい時に傾聴できる支援者は数多くおられます)
- 資格歴(精神科医・公認心理師・臨床心理士)
- 訓練歴(大学院課程・学会認定プログラム、教育分析、スーパービジョン等)
の両方が確認できると良いと考えられます。
日本は、ドイツや米国などに比べてカウンセリングの資格認定の制度がゆるやかです。専門性が成熟していないと言えますし、裾野が広いとも言えます。どの国の制度が優れているとは言えないですが、カウンセリングが広がりつつある今は、制約が厳しい方がクライエント様の利益になることが多いと考えられます。
密室でプライベートな事柄を扱い、困難な心理的な変化に責任を持つことから、影響が大きく専門家としての資格と学術的基盤、倫理規程に基づいた訓練が欠かせません。例えば、カウンセラーは、カウンセリング関係と別にクライエント様と関係を持つことは許されません(多重関係の禁止)。さらに、カウンセリング関係が終わってなお数年間は私的関係を持つことが禁止されます。臨床心理士の場合、資格認定協会が倫理審査を行っており、不祥事の際には申し立てに基づいて資格停止処分を下すといった自浄作用を備えています。公認心理師の場合、行政処分の対象となります。
また、資格取得だけでは十分ではなく、これは例えば、大学院の教育課程を経て国家資格(公認心理師等)を取得した上で、さらにカウンセリング(心理療法)に特化した学会所定の養成プログラムを経て専門資格を取得するといった長い研鑽の道が待ち受けています。また、事例検討会(集団スーパービジョン)への参加や、専門資格保持者からの教育分析といった継続的な訓練を経る方法も主流です。当オフィス代表も、過去に教育分析を受け、現在でも定期的に事例検討会に参加しています。
10年以上の歳月をかけた「反省的実践の繰り返し」と「型の習得」を経て、ようやく入り口に立てると言えるでしょう。独学はありえず、必ず自分の臨床を他者の前に差し出し続けることが必要とされます。
もちろん、これらは自動車の運転免許のようなものですので、上手かどうかはまったく別のお話です。ベテランがまったく筋違いの実践をする場面にも出会いますし、新人が体当たりで難事例を解決する場面にも出会います。
そのため、実際にカウンセリングが始まってからは、「セッションはいつでも中止できる」という安心感が重要です。相性やカウンセラーの力量に違和感を覚えることもあるでしょう。「考えを押し付けられている」「会うことでかえって傷が深まっている」「依存させられている」といった感覚が拭えない場合は、その思いを直接カウンセラーに伝えてみてください。
また、変化や意味が感じられない場合も同様です。本当の専門家は、互いに痛みを伴う対話を避けないものです。その問いかけに対して誠実に対話し、説得ではなく納得感のある対応をしてくれる専門家かどうかを確かめることも選択肢のひとつです。こうした、クライエント様からの働きかけが重要なキーになることもたくさんありますので、まずは「伝えて」みて反応を見ると良いと思います。